きっと君の方が非道いんですから。














猫の首に鈴は付けられた。












六道骸というニンゲンは現在たった一つのモノに所有されている。 其れはシアワセなのでしょうとは思いもするがしかし同時にとても切ないものを手に入れてしまったものだと 憂いの溜息がほろほろ零れた。ああ、誰かこんな自分を嘲笑ってくれないものだろうか。嘲笑を。 そうしたらもう少しだけ楽に呼吸出来ただろうに。シアワセは胸を詰まらせて息が出来なく為る…。 だって幸せな現実こそがもっとも自分を嘲笑う。目を閉じ次に目を覚ました瞬間の空白が どれだけ寂しいものかだって貴方知らないのでしょう?光陰のように矢のように瞬く間に駆け抜けていく君よ。 愛してる。言葉はこんなに薄っぺらだけど君を思う言霊はとても熱く濡れて震えているのですよ…。 ああ、ああ、ああ………。ねえ、君。まるで傷痕のように微笑まないでよ。この六道を、骸を、…六道骸を。


「…お、お前なぁ!どんだけ、本当にどーーーんだけ自分が寝てないか解ってないだろ!?つーか絶対解っててやってるだろ其れを ああ、もう!!きちんと寝ないとぶっ壊れるのが早いってくらい解れ馬鹿!!!」


何の御用ですかぁと彼の執務室の扉を開けてすぐ目の前が塞がれた。ゴス、ですって。額か耳がキンとした。 ………。どう反応すればと骸は思った。だって彼が怒ってくるだろうななんて、もしくは溜息ついて冷たく怒ってくるかなぁ と解っていたのにこのお怒り方は何というかまったく予想もしていなくて。 まるで思ってもいなかったものなんかを突然ぶつけられてしまっては骸は呆然とするしかない。どうする? 本当にどれだけ眠っていなかったのかよく解っていない。ずるりと枕が落ちた。彼の言葉に答えれる気持ちもなかった。 ぼとりと落ちた其れを拾い上げる。 だって目を閉じたら君がくれたものを、指の隙間から零れる砂のようにさらさら忘れてしまいそうだったから…。 恥ずかしいなぁ。
おこらないでよ。
綱吉くん。
多分彼はもう二度と産まれないんです。自分だけが蛇のように脱皮して生きてイってしまう。 彼こそがもう一度世界に生まれるべきだろうというのにこの世はなんて気まぐれに笑っているのでしょうか。 ああ、でも『あんな気持ち』に彼が何度となるくらいならばこの自分がまっとうした方が良いというものでしょう。 ねえ。だからというのも可笑しいでしょうが。だって君と出会えるのがこの時だけなんですから。
ずっと起きていたいとか思ってしまってね?ちょっと無理してしまったんですよ。
切り捨てられない貴方。
心が厄介だ。(痛みを感じないことで長く楽に鈍く生きられる。)でも、今だけはこの先有り得ない程に痛んで傷んでいたんでいたい。 いっそ壊れてもいいから。忘れないようにと。今だけは今までとは違うようにいきたい。(命なら幾らでもこの先あるのなら、 この幸運のひとときの為にこのひとつくらい潰したって構わない。…ああ、潰す。そうじゃないか、刻むのか。 命ひとつ使って君を『覚える』よ。) 君の声が聞こえる世界にずっと居たいと思っている。だから。

弱らせていてください。
(かつて持ち得たアノ感情を呼び起こさないように。道連れ。そんなことを望んでいても実行出来ないように。)






(終)











 アトガキ
ジュ ン ア イ ですか???(あわわわ!!!!)骸ニセモノといわれてもふんぞりかえってやるー!!(泣)←負けとる負けとる。
2005/12/5