絶望が確りと目の前を塞いでしまったが、失望だけは何処にもありはしなかったのだ。









そうして僕は孤独になる。












ごめんねぇ…、なんて。彼はうっすらと微笑みながら謝った。ごめんねぇ…、ごめんね、…。
とつとつと、段々言葉と言霊の隙間が広くなっていく。ああ…、言葉は透き通り心がすらりと浮き上がってくる。 真白い花のつぼみが震えるように、さらさらと一枚一枚花弁を剥がれていくかのように。彼の魂が。 言葉から…。

「ごめんね、骸…。俺がお前を孤独にするんだね」
「ええ。そうですね…」

貴方が僕を孤独にするんですよ。骸は優しく奏でるようにその言葉を彼の耳元に柔らかく注いだ。 孤独にするのです。もう一度囁けば唇はその額にそっと熱を与えていた。綱吉。君がこの先何処にも居ないのです。 骸は優しく優しく、いっそ甘い夢の出来事のように言葉を美しく奏でた。ああ、貴方はもう居なくなる。 もう僕は誰にも縛られないのですと。息も絶え絶えの彼の頭を温もり求める子供のようにぎゅっと抱き締めた。

「つなよし……」

孤独を甘受しても孤独で居たいと思ったこと等なかったというのに。 …ああ、孤独であったのだと気付いた心でこの先どうしろというのでしょう。

「『綱吉』」

貴方と出会った事こそがどんな何よりも非道い咎だ。
(………けれどももう其れだけにしか縋れないのだ。ただこの世を歩む糧はこの想いの中だけに。)









「僕は一体誰をお恨み申せばよろしいのでしょう……」



孤独。彼に愛された幸福のただ一つの証。






(終)











 アトガキ
殺されそうだな私……。(とゆうか、段々ニセモノ度もレベルアップしてきるなぁ!!!)
2005/12/6