またしても過去編だ!!(笑)
きっと本編がギャグだからシリアスしたかったら過去やれってことだね☆(はいはい)
とゆうわけでリボ様とツナヨピさんしか登場しない『Acanthus(アカサス)』でっせー。笑。







































































あの時抱いた幼さを俺は一生憎み永遠に蔑むだろう…。
だが此の心の悪辣さはよくやったと誉めるのだ。あの拙い激情を一生の誇りと。










A c a n t h u s












純粋な血統というものは麗しいものだろうか。リボーンはふと思う。ひどく憎憎しげに。 純粋とは何だ。血とは血だ。血色の何かだ。そんな、…大それた力をあいつは望んじゃあいなかったのに、 此れは此れでいいのだといっていたというのに。 最期だというのがいけないのか。あいつがたったひとりだからいけないのか。 ……じゃあ、傍に居てやる俺はなんなのだ。 腹を空かせたあいつに血を恵んでやっているというのに。此の至高の躯に流れた絢爛なる血液を。 其れさえ霞む程に矜持というものは小さく狭いものなのか。

「……あの人たちはね、雑種の俺が嫌なんだよ。存在するのも嫌なんだ」
「其れはとても大変に勝手なことだ」
「父さんは、死んだ。あの人こそが最期のひとなのに」
「お前は人間の血が混ざっている。だから恐れるのかもな。お前はすっかり人間のようだから」
「…うん」
「お前は人が好きだ。人の味方でいたい。いけない思考だな奴らにとっちゃあな」
「だめ?」
「お前はどんな仲間にも加われない」
「だめ?」
「ママンはもういない。けれども俺がいる」
「……家族ふたりきりなんだね」
「そう、だ」
「母さんを守ってくれて有難う…、お前のおかげで母さんは静かに逝けた」

俺は無力だ。彼の顔が幼くくしゃりと歪む。すうっと頬を滑り降りたらもういけない。 ボロボロと涙は留めようもなく溢れて次々と零れ落ちていった。彼は泣きながら叫ぶ。 死んでしまいたいと。死んでしまえばと。……哀れなことだ。

「まるでずっと眠っていたいとぐずっているようだな。それは子供の感情だ。 お前は見ない振りをしたいだけで切り捨てたいわけじゃあない。死と逃避を混合するな」
「…………まるで、お前は心が強いようにつめたい」
「おまえは意気地がない。臆病と拒絶の狭間を行き来しているような目をしている」
「お前はいつだって正しい、けれどもちっとも優しくない…」
「そうだな」
「……………でも、情けが深いよ」
「そうか」

送り火は皓々と燃え続け闇色はうっすらと赤く火照った。濡れた頬は金色にみえた。黒色はあたたかい色だった。 リボーンは目の前のこいつ程に救いたいと思う奴もいないだろうとあたかも喜劇のように寂しい音色のように其の 事実を深く受け入れた。……そう、此れは世界の秩序をほんの少しずつ濁らせる奇跡なのだ。

「……ツナ、俺はこれでも腹が立っている。お前が怯えて細っていくのもうざってえ」
「え…?」
「奴らに仕返しをしよう。奴らが最も羨み、そして最も恐れる方法で」
「リボーン…?」

まるく、満月のように濡れ光る瞳が美しく見上げた。やさしい子なのだ。リボーンは一瞬だけ憐れむように 双眸を歪めたが、行動を抑止しなかった。流れるように両の手が綱吉の頬を覆った。顎を反らさせ額を突き合わせ、 鼻の先を触れ合わせ、吐息を絡ませて眼差しを真っ直ぐに注いだ。リボーン。細く名前を呼ばれたが、もう、遅い。 もう決めてしまったのだ、もう、もう、……お前だけが。ただひとつの。


「『契約』をしよう」


パチリと、ちいさく火が爆ぜた。哀しいほどに本当に二人は幼かった。彼らを慈しんだ母の遺体は火に捲かれている。 最後の最愛なる保護者を見送った夜は最後の善良なる日。のちにリボーンはこの日を憎む慈しみ綱吉は忘れ果てた。











(終)











 アトガキ
この物語は確かツナ骸のはずだったような気がしますが気のせいでしょうか?(………)
ヒバリとツナ編もかきたいなあ!(そっか!)
2006/03/19