「綱吉は好きだよ」














しろゆりの紋章















物騒で、切れ味の良い刃物みたいな人。近寄る人間は全て切り捨ててやると気配が言っている。

綺麗で、丁寧に磨かれた刃物みたいな人。怖い雰囲気を漂わせているのに綺麗な黒髪と端整な顔立ちが人を惹き付ける。



どうしてこんなに怖くて綺麗な人が自分を好きだなんて言うのか。
ダメだダメだと言われ続けて人を惹きつけた事なんかない自分。最近はリボーンのおかげで評価は上がってきているし、いつも側にいてくれる人まで現れるようになった。それでも、自分自身は……何も変わらないと思っているのに。

……物騒で、綺麗な人。綱吉の中でのヒバリの評価は少しずつ変わってきているものの、根本的な二文字は変わっていない。

そう、どんな格好をしていたとしても。姿を目で追ってしまうし本能で危険を避けようと逃げ出したくなるような気持ちにもなる。


今も、本を読む振りをしながらちらちらとベッドの上に座る姿を見てしまう。
微かな物音でも目を覚ます敏感な彼にしてみれば、その視線は邪魔以外の何者でもなかったようで。


「綱吉、なに」
「……いいえ、何も」
「何も、って顔?それが?……ちゃんと言わないと殴るよ」


すっと立ち上がった気配に姿を見れば、いつのまにか出したのか腕に愛用のトンファーをきっちりと握っている。
『殴り殺すよ』と続かないところに愛情を感じるけれど彼の力で殴られれば殺されないまでも半殺しの状態になるのは確実。


「……ご……ごごごごごめんなさい。ヒバリさんに見とれていました」
「ふ……ん?」


はっ、思わず素直に言ってしまった!!
思わず本音を出してしまった事に慌てる綱吉を見つめるヒバリの表情が変わった。
端正な口角が僅かに上がり、にこにこと似合わない……と言ったら本気で殴り殺されそうな気もする……。笑顔満面で綱吉に近づき、ふわりと片手で布地を……プリーツスカートの端を摘み上げた。



「女子校の制服を着てる僕に見とれるなんて、綱吉ってヘンタイ?」



濃い濃紺の襟まできっちりと紋章が入っている、セーラー服らしいセーラー服。胸元のタイには三本、白いラインが両側から斜めに入っており、それが二つ重なるように留める。清楚な印象を与える、酷く可愛らしいデザインで、美しいヒバリの顔立ちを引き立てるのに十分に役立っていた。

上半身を着崩そうにも着崩せないデザインであるためか、せめてもの抵抗としてスカートを膝上にしている。すらりと長くすね毛も薄い足がしなやかに伸び、お約束のように濃紺のハイソックスが着けられている。

このまま女子校に潜入したら間違いなく惚れられる。
勿論女子として、でもだ。



「……だ、だって、本当に綺麗だから」
「ふぅん。綺麗ね。それは……男として?女として?」
「え――と……」
「犯すよ」
「す、すっ、すすいません!!女として見てました!!」
「ふ〜ん」



すぅっとヒバリの双眸が細められる。先ほどから感じている殺気が増した感じはしないから彼は怒っているわけではないらしい。
……なのに、彼は綱吉の首に両の指をかけてゆるく締め付けた。驚いてもがこうとしてもベッドよりも低い床に座っている為にヒバリの足が身体を押さえつけて動けない。
首を締められるかも知れない恐怖の中、ヒバりの声が耳に注ぎ込まれた。



「……君がこれまで憧れた女性よりも僕は綺麗なのかい?」



暗にそれは、今も憧れている京子や自分に思いを寄せているらしいハルのことを指しているのだろう。
……ヒバリの事は確かに好きだといえるけれど、憧れは簡単に捨てられるものでもないから。見透かされているんだろう。自分の頼りない心なんて、みんな。

迷う、揺れる、決められない、けれどどちらへも傾く天秤ではない。


「ヒバリさん……?」
「ね?」



もう一度念を押されながら尋ねられれば自分が言える言葉はひとつ。



「……ヒバリさんのほうが綺麗」



「当たり前だね」



首にかけていた指をゆっくりと解いていかれる。足で拘束されていた身体も解放され、頭上を見上げると見下ろすヒバリは自信に満ちたいつもの表情に戻っていた。
ゆるゆると顎の下を撫でられる。まるで飼い犬になったような気分だ。


「綱吉が好きなのは?」


「……」


そんな事今更言わなくても身体でも言葉でも気持ちを引きずり出したのは貴方で、身体でも心でも、分かっているくせに。




「ヒバリさん」




熱い頬を意識しながら呟いた。女子高生の皮を被ったヒバリは嬉しそうに口角を少し上げて、細い指で唇をゆっくりとなぞり自分の唇を寄せてきた。





物騒で、
綺麗で、
自分のことを「好き」なんて言ってくれるひと。
ヒバリさん。
たとえあなたが女子高生になっても、
たとえあなたが僕を殺そうとしても、


僕はあなたが好きですよ。












アトガキ

……ツナから見た「僕の好きなヒバリさん」、というのを書きたかったはずなんだが。
白○合学園高等学校の制服(マジ可愛いセーラーです)を着たヒバリさんの妄想で終わってしまった。
ヒバリさん女装してますがツナ子じゃないよ。うん。







からすまるより。
オフ友人からゲットォーーーーーー!!!!(!!?)
種デス最終回のスタッフロールでキラのシンのどちらが上かを賭けて見事勝ったからね!!ふふん!!正攻法でゲットですとも!!(爆)
それにしてもお前!いや、貴方様は!!なんでそんなグサグサツボつくんだこんちくしょう!!ヒバツナサイト開いてください!!
セーラー服だなんて☆(……それって私が君のおうちでセーラー服ヒバリさんラクガキしてたからですか!!?) ←いや、ムック様のせいらしい。(イっちゃん談)ぶふーーー!!!!(爆)
獄寺かわいいかわいいと言っていてもやはり貴方は立派なヒバツナメイツvv
……さて、また頂く為にはどうしたらいいもんじゃろうのう……(微笑)